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こどもの足の相談室

2026.11.07

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第42回日本義肢装具学会学術大会に参加してきました

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第42回日本義肢装具学会学術大会に参加してきました。

 

2026年10月24日(土)・25日(日)の2日間、幕張メッセ国際会議場で開催された「第42回日本義肢装具学会学術大会」に参加いたしました。
今回の学会では、小児義手、側彎症、股関節脱臼、小児麻痺など、小児領域に関する教育講演が数多く企画されていました。当社では小児領域の義肢装具製作に携わる機会が多く、日々の臨床業務に直結する知識を深める大変有意義な機会となりました。

 

1. 小児義手の支援体制について
小児義手に関しては、「補装具装用訓練等支援事業」に関連する複数の報告がありました。これまで筋電義手の導入や訓練が難しかった地域においても、新たな取り組みが進められており、全国的な広がりを感じました。
当社でも近年、小児義手、特に筋電義手への取り組みに力を入れています。今回の報告を通じて、地域における継続的なサポートの重要性を改めて認識するとともに、今後の活動に向けた多くの示唆を得ることができました。

 

2. 側彎症装具の進歩と新たな知見
側彎症に関する教育講演では、装具療法の歴史的な変遷から現在の治療における考え方まで幅広く学びました。特に近年注目されている「シェノーブレース」について、現在の設計思想や矯正に対する考え方に加え、さらなる改善点についても指摘されていたことが印象的でした。
長年にわたり発展してきた装具療法も、現在なお検証と改良が続けられています。これまでの知識や経験を大切にしながら、新たな視点を取り入れていく重要性を再認識しました。

 

3. デジタル技術の進歩と義肢装具士の専門性
今回の学会で特に考えさせられたのが、義肢装具の製造プロセスにおけるデジタル技術の活用です。
近年、3D計測やCAD/CAMなどの技術が広がり、従来は技術者個人の経験や感覚に依存しやすかった採型やモデル修正の工程についても、標準化・効率化が進められています。こうした技術の進歩は、製作工程の負担軽減や品質の安定化につながり、多くの患者様や技術者に恩恵をもたらすものと考えています。

 

一方で、義肢装具の製作には、標準化された工程だけでは対応が難しい、いわゆる「難渋例」が存在します。

 

私たち義肢装具士は、患者様の身体を目で観察し、手で触れ、そこから得られる情報をもとに必要な形状や機能を考え、具現化していきます。こうした力は、自ら考えて設計し、製作し、適合を評価して修正するという、試行錯誤の積み重ねによって培われるものだと考えています。

 

そのため、デジタル技術の進歩によって多くの工程が標準化・効率化される中で、こうした経験を積む機会が減少し、義肢装具士自身が問題を見つけ、解決する力を養うことが難しくなるのではないかという懸念もあります。

 

しかし、デジタル技術には、こうした課題を解決する可能性も秘められています。
これまで経験や感覚に頼っていた設計や修正を数値化・可視化することで、その結果を客観的に比較・検証できるようになります。従来は個々の技術者の中に蓄積されていた経験を共有し、試行錯誤の過程をより明確にすることで、技術の習得や継承を促進することも期待できます。

 

つまり、デジタル化は技術者が考える機会を減らす可能性がある一方で、活用の仕方によっては、これまで以上に深く考え、学ぶ機会を生み出すこともできると感じています。
大切なのは、デジタル技術によって得られた結果をそのまま受け入れるのではなく、なぜその設計が必要なのかを考え、実際の適合や機能を評価し、次の改善につなげていく姿勢だと考えています。

 

新しい技術を積極的に取り入れながらも、患者様の状態を的確に捉え、問題を解決するという専門職としての本質を見失わないこと。デジタル技術を義肢装具士自身の技術や判断力を高めるための道具として活用し、より良い義肢装具製作につなげていきたいと考えています。

 

今後に向けて
今回の学会参加を通じて、小児領域の新たな知見に触れるとともに、義肢装具士として大切にすべき技術や姿勢について改めて考える機会となりました。
 
今後も、特に力を入れている小児義手の支援体制の充実を図りながら、新しい知識や技術を積極的に学び続けてまいります。
 
そして、技術の進歩に柔軟に対応しながらも、義肢装具士としての基本的な技術や判断力を磨くための自己研鑽を重ね、患者様お一人おひとりにより良い義肢装具を提供できるよう努めてまいります。

2026.11.07

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